粟島へ向かう船は思いのほか込んでいて、客室には入れなかった。
さすがに夏休み、それも海水浴シーズンの真っ只中ということか。
甲板に出るのも暑そうだったんで、ずっとロビーのようなところで、簡易イス的な物に座っていた。
一時間だったか二時間だったか、快適とは言いがたい船の中、とにかくじっと動かずにいたと思う。
船を降り、荷物を受け取って歩き始めたのだけど、想像していたよりはるかに人が大勢いた。
とりあえず海岸に沿って島を南下してみたが、とにかくずっと海水浴の人がいて、なかなかテントを張って陣取ろう、という場所にはたどり着けない。
結局、島の最南端らしいあたりまで歩いて、やっと人がいない場所にたどり着いた。
そこに落ち着くまでに、30分以上かかっただろうか。
さくさく歩いても、15分くらいはありそうな距離だったと思う。
まずは海だ!ということで、早速泳いだり、浜で昼飯を食ったり。
海はとにかくきれいの一言で、ハワイよりも沖縄よりも、粟島の海が一番美しいと思ったし、今でもそう思ってる。
いやあ、苦労してここまで来た甲斐があったというものだ。
オレとEはずっと海にいたけど、Kは村役場まで行って(港の方まで戻って)レンタル自転車を借り、ユースケと一緒に島の反対側(西側)に行ってきたりしていた。
西側は人が少ないが、浜ではなく磯だと言うことで、やはりベースキャンプとしては東側がふさわしいようだった。
本当はスクリーンテント(タープ+四方をメッシュで囲ったやつね)を持ってきていたのだけど、立てるのも面倒だし、気分もいいので、夜は砂浜にマットを敷いて寝袋で寝た。
Kも特に疲れを見せるでもないし、みんな楽しくキャンプができて、充実した一日目だった。
海でのキャンプ経験は何度もあったけど、さすがに粟島サイコー!と思った。
そう、一日目はね。
二日目も朝食を済ませたあと、早速海で泳ごうと思ったが、なぜかユースケが腰をあげないでいた。
あれ、海に入らないのかよ、と話し掛けてみると、なんだかゴニョゴニョと歯切れの悪い返事。
ん?どうしたんだ?と問い詰めると、「疲れたから早く帰ろうよ」だって。
なにいいぃ、どういうことだよ、それ。
Kを鍛えなおすとか豪語してたのは誰だってんだ。
しかし4人で協議の末、結局昼の船で帰る事になった。
そうと決まればあまり時間も無く、二日目は海に入らずじまい、ろくに遊ばずじまいだった。
オレは夕方までいるつもりだったので、なんと言うか、不完全燃焼の粟島体験という感じだ。
ユースケは「Kも疲れてるみたいだったしさ・・・」なんて言ってたけど。
まったく、鍛えなおさなきゃいけないのはどっちだよ。
しかし、そのユースケも後に単身メキシコに渡ったりするわけで、人はどうなるのかわからないものだね。
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