もう10年以上前の話。
ユースケがまだサラリーマンだった頃、朝は俺と同じ電車に乗って通勤していた時期があった。
同じ会社に勤めてたわけじゃなく、同じ新発田駅から同じ時間に電車に乗って、同じ新潟駅で降りていたということだ。
朝はあまり話もせずに寝てたりしていたことが多かったと思うけど、たまに帰りも一緒になったりすると、結構いろんな話をしていた。
当然夏が近づけば、「今度はいつキャンプに行こうか?」なんて話題になったりもしていた。
あるとき、キャンプの話題と絡んで、友人Kの話になったことがあった。
Kは中学校からの友人で、当時はキャンプのコアメンバーの一人だった。
仲間内で遊ぶときは、いつも主導的な立場にいたと思う。
そのKはすごくタフなやつで、体力・気力とも、仲間内でかなうやつは誰もいなかった。
パワー、瞬発力、持久力、色々な面で突出していたように思う。
そういえば、
一晩中オノで木を切っていたのもKだ。
しかし、そのタフさにも、この頃はかげりが見え始めていた。
まったく運動していなくて、体力はガタ落ちのようだった。
そういえば、俺が大学院生の頃、Kと一緒に山登りをしたことがあった。
俺は仲間内で一番体力が無いと自他ともに認めていたが、なんとその時、Kが先に疲れてしまい、俺に「先に行ってくれ」なんて言ってた。
体力の面では、22〜23歳頃には、すでにトップから最下位に転落していたということになる。
まあ、体力は誰も人のことは言えない感じだったけど、気になるのは気力のほう。
ちょっと覇気がないというかやる気がないというか。
あまりココには書けないけど、人生色々のようで、まあ気力もなかなか充実はしないのだろうけど。
でも、うーん、前はもっとすごい感じだったよねえ。
で、まあそんな話で、ユースケが「Kをキャンプで鍛えなおそう!」と言ってみたりして、電車の中で話題が盛り上がって来た。
ちょっと苦労をするような、そんなキャンプを久しぶりにやろうか、と。
もちろん俺も大賛成だ。
そこで、次のキャンプは粟島へ行こうと言うことになった。
粟島とは、面積約10km2・人口500人弱の小さな島。
俺達の地元新発田からは、車で岩舟港まで行き、そこから舟で粟島へ、ということになる。
舟を降りれば歩くしかなく、テントやら寝袋やら、とにかく荷物はすべて人力で持って運ぶことになる。
当時はキャンプといえば車で出かけていたし、舟を降りてどのくらい歩くのかは行ってみなければわからず、おそらくちょっと大変な思いをすることになるはずだ。
ということでKを鍛えなおすべく、その夏、粟島でキャンプをすることとなった。
参加メンバーは、俺、ユースケ、K、Eの4人。
当日は天気にも恵まれ、車に乗りあわせて岩舟港へ行き、無料駐車場に車を止めて舟に乗り込んだ。
舟は高速船とフェリーがあり、俺達は当然安いフェリーに乗った。
片道2時間・2,000円くらいだったかな。
夏休みだったので、高速船は結構な本数が出ていたみたいだけど、フェリーは一日二往復。
俺達は午前中のフェリーに乗って、昼頃に粟島に到着した。
一泊して、翌日は夕方に粟島を出るフェリーに乗って帰る予定。